報知新聞/昭和63年4月15日(金)

どじヴェンチャー・ニュージーランド(4)

想い出の「ティマラロッジ」:五つ星に泊まったのだ

 ジョンとマイケルの二人は絶妙のコンビを組むガイドだ。マイケルがスターで、ジョンがマネージャーか。釣り技にに関しては、マイケルは天才的なとことがあるが、シャイで無口だ。一方、ジョンは「アングリング・サファリ」という組織を作り、釣り客との折衝を一手に引き受けているやり手。だが、少し商売気が強い感じがしないでもない。
 
 たとえば、マイケルがせっかく近くでよく釣れるカイアポイ川を推薦してくれたのに、ジョンは強引にまだ濁りの取れていないラカイア川へ引っ張っていったり、二日釣りだというのに、日券(8j)にせずに、週券(19j)にしたり。
 大体、一人のガイドがせいぜい世話できるのは二人までだというのに、われわれは3人ずつ。しかも6人(ガイドを入れて8人)がまったく一緒の釣り場で竿を出したのでは、釣れる方がおかしいくらい。
 現に、マイケルは私にソッと耳打ちした。「今度来たときは、一度ヤスオだけを連れてサーモンを釣らせるよ。」と。

 また、何を勘違いしたのか、ジョンは私たちを金持ちと思ったようだ。次なる予定は、海釣りのメッカとして名が高いマルボロー・サウンドだったが、その周辺のブレナムという町で二泊するモテルを頼んであったところ、「ティマラロッジ」という五つ星マークの最高級モテルを予約してくれてあった。
 だがこの間違いはすばらしかった。今まで、民宿まがいのエコノミークラスばかりを渡り歩いてきた私にとって、これは一生の思い出になりそうな雰囲気であった。

 ご主人はグラハム、奥さんはローズマリーと名乗った。二人とも、映画の主人公のような容姿と立ち居振る舞いだ。
 シャンペンから始まるディナーがすごい。暖炉がある部屋で、ローソクの光だけの食事。ワインをあおり、ステーキを味わい、片言で会話を楽しみながら、なんと3時間あまりもつきあってくれた。

写真は、私以外の日本人5人と、地元の新婚夫婦(左二人)
写真は、オーナー夫人のローズマリーさんと私

 ニュージーランドの基準からすれば、すごく高いという宿泊料も、日本円に換算して、二食込みの一人1万3千円。今年の冬、日本のある温泉宿で、一部屋に五人ぶち込まれて、1万2千円取られたのとはまさに雲泥の差。同じ金でもいろいろ使いようがあるものだ。
                      (報知APG・高橋 康生) 

筆者から一言:
 私たちがいつも利用したのは、ローリーさんお勧めの「ベスト・ウエスターン」加盟のモテル。清潔で、親切なもてなしはいつも感心していたが、このティマラロッヂはスーパースペシアル。部屋のなかにあったバスも超豪華だったし、家の周囲を取り巻いているお花畑もゴージャス。