報知報知新聞/平成元年3月24日(金)

続・どじヴェンチャー・ニュージーランド(2)

90マイルビーチでのマダイ釣り大会:優勝者には3万jの賞金


 「兄弟。なぜ、こんな田舎へ来たか?」
 カイタイアのパブで、鼻と鼻のごあいさつを受けた男が聞いた。
 「90マイルビーチを見に来たんだ。明日、バスで行く。明後日は、釣りに行く」と答えたら、彼の目が輝きだした。
 「おお。90マイルビーチはマダイがよく釣れる。来週からマダイ釣りの大会がある。兄弟も参加して、3万jの賞金をもらえよ」

 一瞬、冗談かと思った。話に釣り込まれるように集まってきた人たちも、ウン、ウンとうなずいて見せる。詳しく聞いてみたら、その大会は、毎年3月、5日間にわたって行われている定例の行事だそうだ。毎日、大物賞として2千j、そして最終日には、5日間を通じての最高大物賞として3万j。結局、優勝者は、3万2千j(約250万円)を懐にすることになる。人口が300万の国の釣り大会としては、すごい賞金だ。
 ちなみに、後日、フト見た新聞によれば、「今年は、100人の参加者があった。そのほとんどが、海草しか釣らなかった中、ダーガビル町のダリル・ワードさんが5.8`のマダイを釣って優勝し、3万jを獲得した」とあった。夢のような本当の話だ。

写真は、90マイルビーチの北端、
                  レインが岬の周辺で。このバスで、潮煙を立てて海岸を疾走する。

 残念なことに、私たちが予定していたその日は、強風を伴った荒天だったため、釣りは断念せざるを得なかった。仕方なく、次の目的地、ファン狩りを目指すことにした。
 道中、あちこちの海岸や、岸壁で竿を出してみた。しかし、釣れるのはスプラットというイダのような魚や、小さなマダイばかり。
 そんな中、モンゴヌイという町の水族館横の岸壁で5,6人の人たちが竿を出していた。やはり半数以上がマオリの人たち。そのうちの一人にビクの中身を見せてもらったら、30aほどのマダイが2尾。
 
 すぐ、横の人が竿をしならせた。これが40aのパロレという魚。イガミに似たカラフルな魚だ。
 「やったね」というと、
 「よかったらあげるよ」と如才ない。
 「一緒に釣らないか」と言ってくれたが、場所が狭く、仕掛け、釣り方もかなり違っていたようなので、遠慮することにした。
 それにしても、マオリの人たちは心底釣り好きが多い。日本人に対して、心から歓迎してくれるようすも、話しぶりから充分伺えた。
                      (報知APG・高橋 康生)