報知新聞/平成元年3月17日(金)
続・どじヴェンチャー・ニュージーランド(1)
(4回目のニュージーランド:ハイライトはメイヤー島(北島)でのヒラマサ)
まずはマオリ族の歓迎にびっくり
私たち夫婦のニュージーランド釣行も4回目を迎えた。北島、南島と釣り場を求めて随分と渡り歩いたが、心の片隅には、どうしても満たされないものがあった。まだ、「ニュージーランドへ来た」という実感が伴うだけの大物を釣っていないことだ。
そこで今年は、川釣りは諦めて、海釣りにターゲットを絞ることにした。幸い、小西和人さんから、心強い助っ人を紹介してもらった。金子肇さん。オークランドの長年住んでいて、釣りにも詳しいという願ってもない存在だ。そして、この人の推薦釣り場が、プレンティ湾の真ん中にぽっかり浮かぶメイヤー島。なんと昨年、ローリーさんの紹介してもらったファンガマタ港が基地となる。

だから今年の旅程は、2月20日に大阪を出て、オークランドから、西海岸を北に取り、北島の北端、90マイルビーチ、レインが岬を極めた後、東海岸を回ってオークランドへ帰るのが約一週間。その後の一週間は、ファンガマタで生み釣り三昧にふけることにした。一行は、私たち夫婦のほかに、いつもの鈴木夫妻(豊橋市)と、初めての藤田夫妻(大阪市)。旅程表については、毎年のことながら、オークランドのローリーさんにお世話になった。この
ローリーさんによれば、西回りの行程で、観光地としての見所は2カ所。「ワイポウアの森林保護区」と、「90マイルビーチ」だそうだ。まずはワイポウア森林保護区だが、この中には、なんと樹齢2000年、高さ50bというカウリの大木があった。観光客の誰もが、その木を見た瞬間、「オー」とか、「アー」とかと嘆声を上げる。上げると言うよりは、上げざるを得ない。こんな体験は、一生の内で滅多にあるものではない。
もう一つは90マイルビーチ。実際には62マイルだというが、それにしても約100`。延々と続く海岸を大型バスが突っ走るのはやはり「すごい」の一語に尽きる。
(写真)巨大カオリ・ツリーの下での一行6人。
その夜、カイタイアという町で一泊した。ノースランド地方で一番大きな町だと聞かされたが、それでも夜は静かになる。ぶらぶら歩いていたらパブがあった。
男ども三人で入ってみた。片隅に泊まり木。真ん中のテーブルが5、6台。ビリアードもある。男たちが6人。スコッチをダブル(4j)で注文してテーブルに座った。どうも周囲の視線が集まっているようだ。
そのうち年の頃50がらみのマオリ族(原住民)が寄ってきた。かなり出来上がっている様子だ。
「日本人か?」
「イエス」
「わし、日本人初めて見る。ハエレマイ(ようこそ)」
と言ったかと思うと、急にその黒い顔を私の顔に近づけてきた。
一瞬、キスをされるのかと思って顔をかわすと、今度は両手で私の顔を挟んで、ゆっくり、自分の鼻を私の鼻にくっつけた。びっくりしたなぁ。もう。
だが、これがマオリ流の挨拶だそうだ。あとは、「兄弟」という呼び掛けで、気安げに話しかける。おかげで、釣り場も教えてもらったり、エサの取り方も伝授してもらった。
このことがあって、今度の旅では、マオリ族は特に日本人に親しみを持っていること、それに、釣りが好きであることが随所で伺えた。
(報知APG・高橋 康生)
筆者から一言:
ローリーさんが90マイルビーチを教えてくれたのは理由があります。彼が日本に来て、九十九里浜を見たとき、二つのビーチを較べてみて、90マイルビーチが遥かに大きいことが分かったのです。それ以後、ニュージーランドを訪れる日本人には自信を持って、このビーチを薦めているようです。